【26/5/1】週刊 AI関連ニュースまとめ

目次

医師特化ChatGPT「ChatGPT for Clinicians」が米国で無料リリース

OpenAIは、臨床医向けに設計された「ChatGPT for Clinicians」を米国で無料リリースしました。
紹介状、事前承認、患者向け説明文など、日常診療で繰り返し発生する文書作成を効率化する「スキル」機能に加え、査読済み医学情報を横断して引用付きで回答する臨床検索、複数の医学誌を対象とした文献レビュー作成などが特徴です。

ベンチマークでは、人間の医師や他の高性能AIモデルを上回る結果が示されたとされています。
また、臨床疑問の調査過程で条件を満たすとCME単位が自動加算される仕組みや、BAA経由でのHIPAA対応も選択可能とされています。

現在の提供対象は、米国の認証済み医師、NP、PA、薬剤師です。 今後、対象国や職種の拡大が予定されており、医療AIの実装がより実務に近い段階へ進んでいることを示す動きといえます。

参考記事
Making ChatGPT better for clinicians

OpenAI
医療従事者向けに進化した ChatGPT OpenAI は、認証済みの米国の医師、ナースプラクティショナー、薬剤師を対象に、医療従事者向け ChatGPT を無料で提供しています。臨床ケア、記録業務、研究を支援します。

医師がVibe Codingで開発する時代へ — Claude Code for Healthcare

Anthropicは、2026年4月23日(日本時間4月24日)に、公式ウェビナー「Claude Code for Healthcare: How Physicians Build with AI」を開催しました。
本ウェビナーでは、医療従事者がClaude Codeを用いて、患者ケアや臨床・事務ワークフローを支援するツールをどのように構築しているかが紹介されました。

登壇者には、救急医でMDCalc共同創設者でもあるGraham Walker医師、循環器内科医でClaude Code Hackathon受賞者でもあるMichał Nedoszytko医師、AnthropicのClaude Codeチームメンバーが含まれています。
公式ページでは、医師が構築したソリューションのライブデモに加え、医療文脈における安全性、検証可能性、監査可能性、コンプライアンス、出力の追跡可能性についても議論されたとされています。

今回のポイントは、医師自身が「現場課題を発見し、言語化し、AIに実装を支援させる」ことで、開発者としての役割を担い得る時代が近づいているという点です。
プログラミング経験そのものよりも、臨床現場の課題を深く理解し、それをAIに伝えられる形に構造化する力が重要になりつつあります。

これは単なるコーディング支援ツールの話題にとどまらず、医療者が自ら業務改善ツールを設計・検証していく時代の到来を示す事例として注目されます。
一方で、医療現場で利用する場合には、個人情報の取り扱い、出力の検証、責任の所在、既存システムとの接続範囲などについて、慎重な設計が不可欠です。

参考記事
Claude Code for Healthcare: How Physicians Build with AI | Webinars \ Anthropic

あわせて読みたい
Claude Code for Healthcare: How Physicians Build with AI | Webinars \ Anthropic We’ll walk through live demos and share best practices to arm your teams in building industry-leading agent experiences. Register now.

OpenAIの最新モデル「GPT-5.5」発表

OpenAIは4月23日、新世代のフラッグシップモデル「GPT-5.5」を発表しました。
前モデルからの大きな進化として、複雑なタスクを長時間にわたり自律的に進めるエージェント能力の強化が挙げられています。

大規模なコードベースの修正、複数ツールを横断した調査、データ解析など、従来よりも長く複雑な作業を粘り強く実行できる点が特徴です。
また、知能が向上しながらも前モデルと同等の応答速度を維持し、同じタスクをより少ないトークン数で完了できるよう最適化されているとされています。

APIでは約105万トークン、Codexでは40万トークンの長文コンテキストに対応します。
一方で、API料金はGPT-5.4より高く設定されており、短いQ&Aや軽い要約では従来モデルを使い、複雑な調査や長文解析ではGPT-5.5を使うといった使い分けが重要になりそうです。

なお、ChatGPT for Healthcare workspaceではGPT-5.5は利用できず、GPT-5.4を継続使用するとの記載もあります。 医療領域で利用する際は、利用可能なモデルや安全要件を必ず確認する必要があります。

参考記事
https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5-5


デジタル庁、政府向けAI基盤「源内」の一部をOSS公開

デジタル庁は4月24日、政府向け生成AI利用環境「源内」の一部をGitHub上でオープンソースソフトウェアとして公開しました。
「源内」は、全府省庁の職員約18万人を対象に、2026年度中の大規模な実証・運用が予定されているガバメントAI基盤です。

今回公開された内容には、「源内Web」のインターフェース部分や構築手順のほか、AWSを用いたRAGテンプレート、AzureでのLLMセルフデプロイ、Google Cloudでの法律条文参照アプリなどが含まれます。
MITライセンスなどが適用され、商用利用も可能とされています。

OSSとして公開することで、自治体や民間企業が重複開発を避けながら、自組織の要件に合わせてAI基盤を構築しやすくなることが期待されます。
医療機関においても、今後の公的AI基盤や調達仕様の動向は注視しておきたい領域です。

一方で、運用面では、致命的な問題には対応するものの、機能追加の要望などのプルリクエストは受け付けていないとされています。
利用時には、サポート範囲や保守体制を十分に確認する必要があります。

参考記事
ガバメントAI「源内」をOSS(オープンソースソフトウェア)として公開しました|デジタル庁

デジタル庁
ガバメントAI「源内」をOSS(オープンソースソフトウェア)として公開しました|デジタル庁 デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを一気呵成に作り上げ...

国産LLM「LLM-jp-4」がオープンソースで公開

国立情報学研究所から、国産大規模言語モデル「LLM-jp-4」がオープンソースライセンスで公開されました。
公開されたのは、約86億パラメータの8Bモデルと、約320億パラメータの32B-A3Bモデルです。

一部の対話評価ベンチマーク、特に日本語MT-Benchにおいて、GPT-4oを上回るスコアを示したとされています。
学習データは合計約11.7兆トークンにのぼり、政府文書や国会文書など、日本語・日本社会に関するデータが含まれている点も特徴です。

また、最大約6万5000トークンの長文入出力に対応しており、Apache License 2.0のもとでHugging Face上に公開されています。
研究開発や業務システムへの組み込みなど、幅広い用途で活用しやすいモデルといえます。

2026年度中には、さらに大規模なMoEモデルや軽量モデルの追加公開も予定されています。
医療分野においても、日本語特化モデルの性能向上は、文書作成、院内ナレッジ活用、研究支援などに影響を与える可能性があります。

参考記事
リリース – LLM-jp


SusHi Tech Tokyo 2026が東京ビッグサイトで開催

4月27日から29日にかけて、東京ビッグサイトでSusHi Tech Tokyo 2026が開催されました。
東京都主導のグローバルイノベーションカンファレンスで、スタートアップ、大企業、投資家、政府関係者が集まり、都市課題の解決をテーマに共創を促進するイベントです。

AIやロボティクスを含む先端技術を軸に、展示、ピッチ、ビジネスマッチングなどが行われます。
都市型エコシステムの中核的なプラットフォームとして、新規事業創出や社会実装の加速が期待されています。

医療従事者にとっても、AIやロボティクスが医療・介護・行政・地域連携にどのように展開されていくかを把握するうえで、こうしたイベントは重要です。
医療AIは単独で発展するものではなく、都市インフラ、行政DX、スタートアップ支援といった広い文脈の中で進んでいることがわかります。

参考記事
SusHi Tech Tokyo 2026

SusHi Tech Tokyo 2026
SusHi Tech Tokyo 2026 アジア最大級のグローバルイノベーションカンファレンス 2026年4月27日(月)、28日(火)<ビジネスデイ>29日(水・祝)<パブリックデイ>

今週のまとめ

今週のニュースからは、医療AIが「便利なツール」から「現場業務を再設計する基盤」へと進みつつあることが見えてきます。
医師向けAIの登場、医師自身による開発、最新モデルのエージェント化、政府AI基盤のOSS化、国産LLMの進化はいずれも、医療現場に直接・間接の影響を与える動きです。

今後、医療従事者に求められるのは、AIを単に使うことだけではありません。
現場課題を見極め、適切に言語化し、出力を評価し、安全に運用する力がますます重要になります。

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