【活動報告】日本アフェレシス学会AI利活用勉強会(AIUS)第2回定例会開催報告

【活動報告】日本アフェレシス学会AI利活用勉強会(AIUS)第2回定例会開催報告

日本の医療において、AIをどのように実装し、現場の課題解決につなげていくのか。

この問いに対し、実践的な視点から議論を重ねている日本アフェレシス学会AI利活用勉強会(AIUS)は、令和8年3月25日に第2回定例会を開催しました。

第1回定例会では、AIの具体的な活用事例や現場での実感が共有され、「AIは使える」という手応えが広く認識されました。
一方で、個人の工夫をどのように再現可能な形にするか、そして組織として継続的に活用していくには何が必要かといった、新たな課題も浮かび上がっていました。

前回の定例会の議事録はこちら

第2回となる今回は、こうした課題に対してより具体的なアプローチが示され、AI活用が“試す段階”から“形にする段階”へと移行しつつあることを強く印象づける内容となりました。

本記事では、アプリ開発、データ活用、情報共有、外部連携といった観点から、AIUSの現在地と今後の展望を整理してご紹介します。

参加者:
 内山 陽介 先生(済生会横浜市東部病院)
 王子 聡 先生(埼玉医科大学総合医療センター)
 硴﨑 裕晃 先生(SB Intuitions株式会社)*オブザーバー
 片桐 大輔 先生(国立国際医療研究センター)
 草生 真規雄 先生(順天堂大学)
 斯波 真理子 先生(大阪医科薬科大学)
 以上 6名(五十音順)

目次

「標準化」に向けた第一歩:アフェレシス標準化アプリ開発

今回の会議で最も中心的な議題となったのが、「アフェレシス標準化アプリ」の開発です。

アフェレシス治療は、その専門性の高さゆえに、施設ごとの経験や体制に依存する部分が少なくありません。
こうした状況は柔軟な対応を可能にする一方で、治療方針や手技のばらつきにつながる側面もあります。

この“ばらつき”をいかに是正し、一定水準の医療を担保するかという課題に対し、AIUSではAIを活用した支援ツールの開発に取り組んでいます。

現在検討されている主な機能は以下の通りです。

アフェレシス標準化アプリ 主な機能
  • ガイドラインをベースとしたチャットボット機能
  • 患者情報を外部に出さないローカル処理
  • モダリティ選択を支援する意思決定サポート

(ここで重要なのは、「AIが判断する」のではなく臨床判断の主体はあくまで医療者であり、AIは「医療者の判断を支える」という立ち位置から、その精度とスピードを補強する役割を担うことです。)

一方で、実装に向けた課題も具体的に議論されました。

例えば、ガイドラインの更新をどのように反映させるかという問題は、単なるシステム設計にとどまらず、医療の質そのものに直結します。
また、大規模言語モデル(LLM)の利用範囲や、生成内容の責任所在、知的財産の扱いといった論点も慎重な検討が必要です。

これらの課題については、開発企業や技術的専門家と連携しながら、現場で実際に使える形へと落とし込んでいく方針が確認されました。

データを「入力する」から「活用する」へ:レジストリ自動化の試み

アフェレシスレジストリへのデータ入力は、臨床現場において長年の負担となってきました。

本来、診療データは医療の質向上や研究にとって極めて重要な資源ですが、その収集・入力の負担が大きいことが、活用の障壁となっている側面があります。

この課題に対し、AIUSでは自動入力システムの開発が検討されています。

具体的には、

  • CSV形式によるデータの一括取り込み
  • 複数の医療機関データベースからの情報抽出

といった方法が議論された一方で、電子カルテへの直接アクセスは施設ごとのセキュリティ制約により困難な場合が多い、レジストリシステムの根幹にRedCapが使われているためシステムの仕様変更が困難などの課題も挙がり、現実的な代替手段の検討が必要となっています。

さらに、Vision Language Model(VLM)を活用したデータ抽出の実証試験も計画されており、匿名化データを用いた検証が進められる予定です。

この取り組みは単なる業務効率化にとどまらず、「データを自然に蓄積し、活用できる環境」を整備するという点で、今後の医療基盤にも大きく寄与する可能性があります。

知見を循環させる仕組みへ:AI関連情報の定期共有

AI技術は極めて速いスピードで進化しており、個々人が単独で情報を追い続けることには限界があります。
こうした状況を踏まえ、AIUSではAI関連情報を定期的に共有する仕組みを構築し、試験的な運用を開始しました。

ナレッジ管理ツールである Notion のデータベース機能とフィード機能を活用し、各委員が日々収集したAI関連ニュースや実践的な知見を一元的に蓄積・整理しています。
これにより、個々人の気づきが埋もれることなく共有され、必要な情報へ迅速にアクセスできる環境が整いつつあります。

実際、運用開始から本定例会までの約3週間の間に、各委員からニュースや論文、実用的なツールに関する情報に加え、日常業務の中で得られた知見が継続的に共有されました。
AI活用は、知見を構造化し共有することでより発展し、他の現場でも応用可能な形へと変換されていきます。

委員会内で集めたこれらの知見も、どのような形で皆様に共有していくべきかの検討も進めております。
本取り組みは、AIUSを単なる勉強会にとどめることなく、「実践知が循環する場」へと発展させる重要な基盤となると考えています。

医療×テクノロジーの接続:外部関係者との協働

既存のAIを個人単位でどのように活用していくかがAIUSの根源たる活動方針ではありますが、AIを最大限に活用し現場に実装するためには、医療者のみならず、技術的専門性を持つ外部パートナーとの連携も不可欠です。

今回の会議では、企業やスタートアップを含む外部関係者を、今後段階的にワーキンググループへ参画させていく方針が確認されました。

すでに先述したアプリ開発においては企業との協働が始まっており、今後はより多様なバックグラウンドを持つ人材が関わることで、議論の幅と実装力の双方が強化されていくことが期待されます。

医療側のニーズと、技術側の実現可能性をどのようにすり合わせるか――
これこそが、AI活用の成否を左右すると考えています。
外部関係者に参画いただき、異なる専門性を接続することで新たな価値を生み出す試みでもあります。

AIUSが次に目指すもの

第1回定例会が「AIを知り、試す場」であったとすれば、第2回は「AIを形にし、実装へ近づける場」へと進んだ回であったといえます。

アプリ開発、データ自動化、情報共有、外部連携――これらは一見別々の取り組みのように見えますが、いずれも「現場で使えるAI」を実現するための重要な要素です。

AIは有能ですが、決して万能ではありません。
しかし、適切に設計し、現場の文脈に沿って運用することで、医療の質と効率を着実に向上させる可能性を持っています。

AIUSは今後も、「理論としてのAI」ではなく、「実務に根ざしたAI」にこだわりながら、アフェレシス領域における実装モデルの構築を目指していきます。

次回定例会は令和8年5月末頃の開催を予定しています。

引き続き、AIUSの活動にご注目ください。

※本記事はAI(NotebookLM、Claude、ChatGPT等)を補助的に活用して作成しています。

AIUSの活動に参加しませんか?

AIUSでは最新のAIニュースの共有をはじめ、
2か月に1度の定例会を開催しており、委員間で積極的な意見交換を行っております。

また外部オブザーバーを招き入れているため、
AIを活用したシステム開発、アプリ開発についてもご相談いただくことが可能です。

  • AIの使い方について相談したい
  • AIの活用法を共有したい
  • AIを使ったシステムを開発してみたい

という方は是非、AIUSへの加入をご検討ください!

あなたのご参加をお待ちしております。

  • 加盟には日本アフェレシス学会への加盟が必要です。
    詳しくは「参加方法」をご確認ください。
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