【26/5/29】週刊 AI関連ニュースまとめ

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BMS、AnthropicのClaudeを3万人超へ展開 生成AIが“全社基盤”へ

大手バイオ製薬企業のBristol Myers Squibb(BMS)は、Anthropicとの戦略的契約を発表し、Claude Enterpriseを全社的な「shared intelligence platform」として導入する方針を示しました。
対象は研究、臨床開発、製造、コマーシャル、コーポレート部門など広範囲に及び、3万人超の従業員が活用する構想です。

特に注目されるのは、生成AIを単なるチャットツールではなく、社内システムや知識基盤と接続した業務インフラとして位置づけている点です。
BMSは、Claude Codeによる開発効率化、創薬・臨床・製造ワークフローへのAIエージェント統合、さらに科学・規制・商業データの横断活用を重点領域として挙げています。

臨床開発領域では、臨床試験報告書や安全性ナラティブ、規制申請関連文書のドラフト作成支援も想定されています。
ただし、最終判断は人間が担う前提であり、「AIによる完全自動化」ではなく、「専門家の監督下での効率化」という方向性が強調されています。

製薬業界ではOpenAIとModerna、Novo Nordiskなどの連携も進んでおり、生成AIは創薬から規制対応まで競争領域になりつつあります。
今後は、性能だけでなく、データガバナンスや監査性、人間による監督体制をどう確保するかが重要なテーマになるでしょう。

参考記事:
https://news.bms.com/news/details/2026/Bristol-Myers-Squibb-Announces-Strategic-Agreement-with-Anthropic-to-Position-Claude-Enterprise-as-the-Shared-Intelligence-Platform-Across-Its-Global-Operations/default.aspx


Google、「Gemini Spark」を発表 AIが“24時間働くエージェント”へ

GoogleはGoogle I/O 2026において、新たなAIエージェント機能「Gemini Spark」を発表しました。
Gemini Sparkは、ユーザーの指示に基づいて複数ステップのタスクを継続実行する「24/7 personal AI agent」と位置づけられています。

Gemini Sparkは、Gmail、Googleカレンダー、Drive、Docs、SheetsなどのGoogle Workspaceと連携し、メール整理、資料作成、請求書管理、定期的な情報収集などを自動化します。
特徴的なのは、「Tasks」「Skills」「Schedules」という仕組みにより、繰り返し業務や条件付き処理を継続的に実行できる点です。

たとえば、毎週決まった時間にメールを要約したり、特定条件のメール内容をスプレッドシートへ記録したりといった運用が紹介されています。
また、Canva、OpenTable、Instacartなど外部サービスとの連携も進められており、AIが複数サービスを横断して作業する時代が現実味を帯びています。

一方で、Googleは重要操作時にはユーザー確認を求める設計を採用していると説明しています。
医療・研究分野では、文献収集、会議準備、教育資料作成などへの応用が期待される反面、個人情報や機密データへのアクセス権限管理、誤作動時の責任範囲など、ガバナンス設計の重要性はさらに高まると考えられます。

参考記事:
https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/next-evolution-gemini-app/


Google検索が“AI検索”へ進化 検索エージェントと生成UIを統合

Googleは、検索機能そのものをAI中心へ再構築する方針を発表しました。
AI Modeの標準モデルはGemini 3.5 Flashへ更新され、検索体験は従来の「Webページ検索」から「対話型情報支援」へ変化しつつあります。

新しい検索ボックスでは、テキストだけでなく画像、動画、ファイル、Chromeタブなど複数情報を組み合わせた検索が可能になります。
さらに、AI Overviewからそのまま会話を継続し、検索文脈を保持したまま追加質問できる仕組みも導入されます。

特に注目されるのが「検索エージェント」です。
これはユーザー条件に応じてWebやニュース、SNSなどを継続監視し、重要変化を通知するAI機能です。
従来の検索が「調べる行為」だったのに対し、今後は「AIが継続的に追跡する行為」へ進化していく可能性があります。

さらにGoogleは、図表やシミュレーションを生成する「生成UI」も導入予定です。
医療・研究領域では、文献探索や研究テーマ整理、教育用途などで有用性が期待されます。
一方で、AIによる要約結果を過信するリスクや、患者側がAI検索結果を前提に相談してくるケースも増える可能性があります。
医療者側には、従来以上に根拠に基づく説明能力が求められるでしょう。

参考記事:
https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/search-io-2026/


Google、Gemini搭載スマートグラスを発表 “AIを身につける”時代へ

Googleは、Geminiを搭載したスマートグラス「intelligent eyewear」を発表しました。
まずは音声中心の「audio glasses」が2026年秋に投入予定で、Android・iOSスマートフォンと連携して動作するとされています。

この製品は、GoogleがSamsungやQualcommと推進するAndroid XR戦略の一環です。
Geminiが周囲の状況やユーザー意図を理解し、リアルタイムに情報提供することを目指しています。
デザイン面ではGentle MonsterやWarby Parkerと協業し、日常利用を意識した外観も重視されています。

機能面では、周囲の情報検索、標識理解、翻訳、ナビゲーション、メッセージ要約、写真・動画撮影などが紹介されました。
また、DoorDashやUberなど外部アプリ操作にも対応し、音声のみで複数ステップのタスクを処理する構想が示されています。

医療・研究領域では、ハンズフリーでの情報参照や翻訳、教育支援などへの応用が期待されます。
一方で、カメラやマイクを備えたウェアラブルAIは、患者プライバシーや録音・撮影同意、院内セキュリティとの関係で慎重な検討が必要です。
AIエージェントが「画面の中」から「身体に装着する存在」へ移行しつつある点は、今後の大きな転換点になるかもしれません。

参考記事:
https://blog.google/products-and-platforms/platforms/android/android-xr-io-2026/


教皇レオ14世、AI時代の人間の尊厳を扱う回勅『Magnifica Humanitas』を公表

教皇レオ14世は2026年5月25日、AI時代の人間の尊厳を扱う初の回勅『Magnifica Humanitas』を公表しました。
テーマは「人工知能の時代における人間の保護」であり、AI、デジタル化、ロボティクスが社会・労働・平和・人間の尊厳に与える影響を、カトリック社会教説の観点から論じています。

同回勅は、1891年に労働者の権利や社会問題を扱った『Rerum Novarum』の発布135周年にあたる2026年5月15日付で署名されました。

本文では、AIを含む技術は本質的に悪ではない一方、技術は決して中立ではなく、それを設計・資金提供・規制・使用する主体の価値観を反映すると述べられています。
また、デジタル権力の集中、労働への影響、AI兵器や自律型兵器への懸念も示されています。

今回の発表にはAnthropic共同創業者のChristopher Olah氏も参加しており、AI倫理だけでなく、AIの解釈可能性や透明性といった技術的課題への関心も示されました。

AIUSは特定の宗教的立場を支持するものではありませんが、AI倫理とガバナンスをめぐる国際的議論の一つとして、本回勅を紹介します。
医療AIにおいても、「何ができるか」だけでなく、「どのように使うべきか」を考える重要性が今後さらに高まっていくでしょう。

参考記事:
https://www.vatican.va/content/leo-xiv/en/encyclicals/documents/20260515-magnifica-humanitas.html


今週のまとめ

今週のニュースを通して見えてくるのは、生成AIが「便利なツール」から、「常時稼働する業務基盤・エージェント」へ進化しつつあることです。
製薬企業では全社導入が進み、Googleは検索・スマートグラス・エージェント機能を統合し始めています。

一方で、医療・研究分野では、個人情報保護、説明責任、規制対応、人間による監督といった課題も同時に大きくなっています。
AI活用が広がるほど、「どのAIを使うか」だけではなく、「どのようなルールと責任のもとで運用するか」が重要になる時代に入っているといえるでしょう。

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