【26/7/24】週刊 AI関連ニュースまとめ

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政府が第Ⅱ期AI基本計画を閣議決定――医療分野でAI導入を本格推進

政府は7月14日、「第Ⅱ期人工知能基本計画」を閣議決定しました。

計画では、AIを単なる業務支援ツールとして活用する段階から、組織や業務そのものをAI前提で再設計する「AIトランスフォーメーション(AX)」への転換を掲げています。
「AIを使う」「AIを創る」「AIの信頼性を高める」「AIと協働する」の4つを柱とし、医療・介護・福祉を重点分野として位置付けました。

医療分野では、生成AIによる診療情報提供書や看護記録、介護記録などの文書作成支援を進めるほか、AI導入に取り組む医療機関への複数年度の財政支援も盛り込まれています。
また、電子カルテをエージェント型AIと連携できる環境整備も重要な施策として示され、「MCPサーバー等」を例示しながら標準化を進める方針が明記されました。
これにより、電子カルテベンダーに依存しない医療AIサービスの普及が期待されています。

さらに、薬局での服薬指導記録や在庫管理、医療機器へのAI活用、福祉相談業務の支援に加え、AI創薬や臨床試験の効率化も国家戦略として推進されます。
一方で、責任分界や個人情報保護、AIの安全性、データ標準化など医療特有の課題も整理されており、AIセーフティ・インスティテュート(AISI)などを通じたルール整備も進められる予定です。

今回の計画は、研究開発だけでなく、医療現場への実装や導入効果の評価、人材育成までを含めた包括的な政策へ踏み込んだ点が特徴です。
今後は、予算措置や実証事業、標準規格の具体化が、医療AI普及の大きなポイントとなりそうです。

参考:https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_hq/5kai/5kai.html


産総研、海外研究機関と「フィジカルAI」の国際研究体制を構築

産業技術総合研究所(産総研)が中心となり、日本、米国、英国、カナダなどの大学・研究機関と連携して、ロボットや産業機械向けの「フィジカルAI」研究を進める計画が報じられています。
現時点では、参加機関や研究者数の詳細は正式発表前ですが、200人規模の国際研究体制となる見通しです。

フィジカルAIは、視覚や音声、空間情報、各種センサーデータなどを統合して現実世界を理解し、自律的に行動するAI技術です。
生成AIを発展させたマルチモーダル基盤モデルを、ロボットや製造設備など実世界で活用する技術として期待されています。

この取り組みは、経済産業省・NEDOによる「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」の一環であり、AI開発企業Noetraと産総研の共同提案が採択されています。
Noetraが基盤モデル開発を担い、産総研は国内外の研究機関と連携しながら理論や要素技術の研究を推進します。
開発した学習済みモデルは国内企業へ広く提供され、製造、物流、インフラなど幅広い分野での活用が期待されています。

日本では製造現場を中心に豊富な実世界データが蓄積されており、これらを活用したフィジカルAIの開発は産業競争力の強化につながる可能性があります。
今後は研究成果だけでなく、実際の産業応用や医療・介護分野への展開にも注目が集まりそうです。

参考:https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260630005/20260630005.html


NVIDIA、日本でフルスタックAIとフィジカルAIへの投資を拡大

NVIDIAは2026年7月、日本政府や企業とのAI・ロボティクス分野での協業を発表し、製造、医療・創薬、金融、科学技術、自動車など幅広い領域でAI活用を加速する方針を示しました。
ジェンスン・フアンCEOの来日に合わせ、多数の国内企業との連携や、新たなAIインフラ構想が紹介されています。

中でも注目されるのが、Noetraと連携して構築する国家規模のAI計算基盤です。
経済産業省・NEDOが進める「FRONTiaプロジェクト」を支えるインフラとして、NVIDIA Rubin GPUを2万7,500基以上搭載する計画が発表されました。
2027年の建設開始、2028年の稼働を予定しており、日本のAI研究・産業基盤を支える大型プロジェクトとして位置付けられています。

医療・創薬分野では、アステラス製薬、第一三共、小野薬品工業などが創薬向けAIプラットフォーム「BioNeMo」を活用しているほか、AI創薬や医用画像診断機器へのGPU活用も紹介されました。
さらに、製造業やロボティクス、自動車、金融、科学計算などでも、AI計算基盤やシミュレーション技術の導入が進められています。

今回の発表は、日本の産業基盤とNVIDIAのAI技術を組み合わせ、フルスタックAIやフィジカルAIの実装を進める長期戦略を示したものです。
多くは今後数年間で構築・実証が進む計画段階ですが、日本がAI開発と社会実装の重要拠点となることを目指す動きとして、今後の進展が注目されます。

参考:https://blogs.nvidia.com/blog/japan-ecosystem-2026/


今週のまとめ

今週は、日本のAI政策と産業界の動きが大きく前進した一週間となりました。
政府は「第Ⅱ期AI基本計画」を閣議決定し、医療・介護・福祉を重点分野として位置付け、生成AIによる文書作成支援や電子カルテとエージェント型AIの連携、AI創薬などを本格的に推進する方針を示しました。
研究開発だけでなく、導入支援や標準化、人材育成までを含めた実装フェーズへの移行が鮮明になっています。

一方、産総研を中心とした国際的なフィジカルAI研究体制の構築や、NVIDIAと国内企業・研究機関による大規模なAIインフラ整備も発表され、日本全体でAI基盤を強化する動きが加速しています。
これらの取り組みは、製造業だけでなく医療・創薬分野にも波及し、今後のAI活用を支える重要な基盤となることが期待されます。

医療現場においては、生成AIの活用が実証段階から社会実装へと進みつつあります。
今後は、電子カルテとの標準的な連携や導入効果の評価、安全性・責任分界に関する制度整備などが進むことで、医療従事者の業務負担軽減と医療の質向上につながるかが大きな注目点となるでしょう。

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